導入事例

導入事例― ダイワボウ情報システム株式会社 ―

ビジネスを成長させる“攻めのIT”環境を目指して

- Cisco Meraki を活用したネットワーク運用効率化と新規ビジネスへのチャレンジ -

ダイワボウ情報システム株式会社のエントランスに並ぶ3人の男性 左:販売推進本部 販売推進第2部 PH1グループ 次世代プラットフォーム推進グループ 副部長 谷水茂樹氏、中央:システム推進部 部長付 藤田光徳氏、右:システム推進部 イントラネット課 係長 岩谷圭祐氏

ダイワボウ情報システム株式会社(以下、DIS)では、クラウド管理型ネットワーク「Cisco Meraki」(シスコ・メラキ)のワイヤレスを導入。全国70拠点への導入作業をわずか1ヶ月で完結し、ネットワークの運用管理効率化を実現しています。また、社内環境で技術検証や運用ノウハウを蓄積することによって、「Cisco Meraki」を活用した新規ビジネスの創出やエンドユーザ企業の業務効率化を目指した提案活動に繋げています。

導入ユーザ

ダイワボウ情報システム株式会社

https://www.pc-daiwabo.co.jp/

“顧客第一主義、地域密着"を基本方針に掲げ、パソコンやその周辺機器、ソフトウェアなど、ITに関するあらゆる商品やサービスを提供するITの専門商社です。ダイワボウ情報システムを中核として、「物流」「技術」「ソリューション」「情報発信」などDISグループが提供する多様なサービスを組み合わせた提案力を強みに、販売パートナーと共にエンドユーザ企業のIT活用とデジタル化を支援しています。

ダイワボウ情報システム株式会社があるビルの写真

事例のポイント

DISのチャレンジ
従来のワイヤレスシステムで課題とされていた多拠点展開における運用負荷を抑制するとともに、社内導入による先進的ネットワークの提案ノウハウの習得。
Cisco Merakiを選んだ理由
「クラウドを介したアクセスポイントの一元管理により、運用管理の負荷を抑制」
「ゼロタッチ機能による導入の容易さと展開の速さ」などが採用の決め手に。
これからの展望
Cisco Merakiをネットワークスイッチなどにも展開し、さらなるネットワーク運用の効率化を推進。
自社導入で培ったノウハウを活用した新規ビジネスの創出。

「顧客第一主義、地域密着」を掲げ、全国に販売網を展開

DISは、パソコンをはじめとするIT関連商品の国内トップ・ディストリビューターです。“顧客第一主義、地域密着"を基本方針に掲げ、国内外のメーカー、サプライヤーから仕入れたIT関連商品を、全国のパートナーを通じてエンドユーザ企業へ提供しています。DIS自身も北海道から沖縄まで約90の販売拠点を構えるとともに全国をカバーする物流センター網を擁することで、地域密着型の営業体制を実現しています。

クラウド管理型ネットワーク「Cisco Meraki」を自社導入

今回、DISでは大阪本社および大阪地区営業部門の集約による本社ビルの移転を機に、クラウド管理型ネットワーク「Cisco Meraki」を導入。大阪本社を筆頭に全国70拠点で運用していた200台のワイヤレスシステムをリプレースしました。
Cisco Merakiを選定した理由は、アクセスポイント(以下、AP)の稼働状況の一元管理やファームウェアの更新管理、そしてワイヤレスにアクセスしている端末やユーザの利用状況の把握といった、運用管理の効率化にありました。これらの要件を掲げた背景について岩谷氏は、次のように説明します。
「これまでは全国70拠点に設置された約200台のAPと、ワイヤレスコントローラを組み合わせた環境を運用していました。しかし、多拠点での運用を続けていく中で、オンプレミスのワイヤレスコントローラによる管理に限界を感じ始めていたのです。例えば障害発生時には私に対応依頼が寄せられるのですが、状況のヒアリングをはじめ、リモートアクセスによる調査のほか、それでも原因が分からない場合は、不具合が生じた機器を送付してもらい、直接ログインして対応を行うなど、多くの工数が発生していました。そうした課題に対して、クラウドを介して簡単に状況の把握やトラブルシューティングが行えるCisco Merakiであれば、運用管理の大幅な効率化が図れると考えたのです」

ダイワボウ情報システム株式会社 システム推進部 イントラネット課 係長 岩谷圭祐氏
ダイワボウ情報システム株式会社 システム推進部 イントラネット課 係長 岩谷圭祐氏

また谷水氏も、「DISは新しいテクノロジーを搭載した商品を自ら導入して技術検証を行うことでノウハウを蓄積し、より質の高い提案や新規ビジネスの創出に繋げてきました。今回、Cisco Merakiを社内導入した背景にも、そうした狙いがありました」と説明します。

ダイワボウ情報システム株式会社 販売推進本部 販売推進第2部 PH1グループ 次世代プラットフォーム推進グループ 副部長 谷水茂樹氏
ダイワボウ情報システム株式会社 販売推進本部 販売推進第2部 PH1グループ 次世代プラットフォーム推進グループ 副部長 谷水茂樹氏

わずか1カ月で全国70拠点に約200台のAPを導入

Cisco Merakiの導入を決定したDISは、わずか1カ月というタイトなスケジュールの中で全国70拠点に約200台の屋内型AP「MR42」の導入をすることができました。ここで威力を発揮したのが、OSのキッティングやコンフィギュレーションといった基本設定をクラウドから一元的に行うことで、LANケーブルに接続するだけでAPを利用できるようにする「ゼロタッチ機能」です。
岩谷氏は「Cisco Merakiのゼロタッチ機能により、これまでのように私自身が各APに設定を行うことなく、簡単に導入できました」と説明します。なお、各拠点へのAPの設置作業は、現地の社員が行いましたが、接続変更の様子を撮影した手順書を配布するなど、作業が問題なく進められるような工夫も施しました。
岩谷氏はCisco Merakiの導入時に留意すべきポイントとして、「コントローラがクラウド上にあるので、管理用のダッシュボード画面はインターネット回線が使える環境であればどこからでも確認することができます。ただし、セキュリティの観点から、コントローラにアクセスするユーザやアクセス元のIPアドレス制御の管理をしっかり押さえておく必要があります」としています。

ダイワボウ情報システム株式会社 オフィス内に設置された:「Cisco Meraki」のアクセスポイントが設置されているお写真(1) ダイワボウ情報システム株式会社 オフィス内に設置された:「Cisco Meraki」のアクセスポイントが設置されているお写真(2) ダイワボウ情報システム株式会社 オフィス内に設置された:「Cisco Meraki」のアクセスポイントが設置されているアップ写真(1) ダイワボウ情報システム株式会社 オフィス内に設置された:「Cisco Meraki」のアクセスポイントが設置されているアップ写真(2)
オフィス内の壁面に設置されている屋内型アクセスポイント「MR42」。

トラブル発生の予兆を事前に察知、ワイヤレスの運用管理を大幅に効率化

今回、最大 1.5 Gbps のフレームレートを実現するMR42をAPに採用したことで、ワイヤレスの安定性を大幅に向上させており、これまでは大人数が一斉にアクセスした際に通信が遅かった大会議室などでも、ストレスなく利用できるようになりました。
無論、当初の目的に掲げた運用管理負荷の抑制も実現されています。岩谷氏は「各拠点のAPの状況をダッシュボード画面から一目で把握できるようになり、何かトラブルが発生しそうな場合にもアラートが上がってくることで、事前に対処可能な体制が実現できました。また、『認証に失敗した』『APの動作がおかしい』など、より詳細なログも参照できるようになったことで、実際に障害が発生した際にも、現地窓口とのやり取りがスムーズに進められるようになっています」と話します。加えて、ワイヤレスを使用しているデバイスやユーザの状況が可視化されたことで、実際の通信量や利用しているアプリケーションをリアルタイムで把握できるようになり、ネットワークの正常稼働を維持するのに一役買っているといいます。

藤田氏は、「マネジメントの立場から、システム担当者には日々の運用管理に追われることなく、ビジネスを成長させる“攻めのIT”に力を入れて欲しいと考えています。Cisco Merakiの導入により、運用管理に関する時間を大幅に削減できたのは大きな効果でした」と評価します。

ダイワボウ情報システム株式会社 システム推進部 部長付 藤田光徳氏
ダイワボウ情報システム株式会社 システム推進部 部長付 藤田光徳氏

自社導入で蓄積したノウハウを活かし、より付加価値の高い提案を推進

今後DISでは、ワイヤレスシステムだけでなく、ネットワークスイッチなどの機器についてもCisco Merakiを展開することで、さらなる統合管理と運用負荷の抑制を図っていく考えです。
岩谷氏は、Cisco Merakiの導入を考えている企業に対して次のようにアドバイスします。
「社内稟議に際して、コントローラをオンプレミス型からクラウド型へと移行する際に『通信内容が全てクラウドを経由することによって漏洩する危険性が高くなるのでは』という懸念から、導入にストップがかかるケースがあるかもしれません。
しかし、Cisco Merakiにはユーザのトラフィックがクラウド上のコントローラを経由しない仕組みが用意されています。このようにセキュリティ面でも万全であることをアピールしていただければと思います。またDISではCisco Merakiの導入支援サービスも提供しているので、ぜひご活用ください」
谷水氏は、Cisco Merakiの導入効果は運用負荷の軽減だけに留まらないと強調します。
「Cisco Merakiのクラウド管理機能を利用した運用アウトソーシングサービスの提供など、販売パートナーもビジネス拡大のツールとして活用できます。さらに、ワイヤレスにアクセスしたデバイスやユーザのアクセス状況も可視化できるので、例えば、小売店であれば、店舗への来店状況をWi-Fi端末から取得することでマーケティングや販促に役立てられるようにもなります。そうしたノウハウを蓄積、提案することで、販売パートナーのビジネス拡大とエンドユーザ企業の利便性向上の支援に繋げていきたいですね。今後もそうした先進的な取り組みを重ねるとともに、販売パートナーと協力しながら、地方も含めた日本のデジタル化を支援していきたいと考えています」

製品紹介

Cisco Meraki

Cisco Meraki

Cisco Merakiは、100%クラウド管理を実現するネットワークソリューションです。アクセスポイントやセキュリティ、スイッチなどの製品を、単一の管理画面から統合的に管理。少人数でも効率的な運用が行なえます。
機器の設定情報なども自動でダウンロードするため、「ゼロタッチ」での多拠点導入が実現できます。